トレーニーはなぜ若く見える?見た目年齢とトレーニングの重要性とは
人は見た目が9割?
「人は見た目が9割」なんて言いますが、本当にそうでしょうか?
筋トレをしている人、バランスの取れた食生活を送っている人はなぜ若く見えるのか。みなさんが気になっているテーマについて、深堀りしていきましょう。
見た目の印象は肌が関わっている
化粧品メーカーの調査によって、見た目年齢に「真皮」という組織が重要であることがわかりました。真皮とは皮膚のすぐ下にある組織のことで、真皮の厚みや繊維が整っている方は実年齢よりも10歳ほど若い印象を与えるという調査結果があります1)。
同研究では有酸素運動は皮膚の弾力に、有酸素運動と筋力トレーニングの両方を実践すると、皮膚の弾力と真皮組織の厚みが増す可能性が示されています1)。
筋肉と加齢の関係
見た目の印象は、肌つや、髪、爪、みずみずしさ、姿勢などの要素によって左右されます。前述した研究で、筋トレをしている人はなぜ若く見えるのかの一端を覗けましたね。ではあらためて、筋トレをする意味を考えてみましょう。
筋肉を維持するにはトレーニング
筋肉量が少なくなると、姿勢の維持や日常生活動作をするための機能が低下しやすくなります。筋肉(骨格筋)の役割は血液の循環、基礎体温の維持、骨や内臓などの骨格を支えたり、骨を動かすことによる身体機能の保持などがあります。筋肉量や筋力が低下することで、見た目の若々しさが損なわれたり、日常生活を送るための機能が維持できない状況に陥る可能性があります。
いわゆる筋トレはレジスタンストレーニングと呼ばれ、筋肉に繰り返し抵抗を加える運動で、骨格筋量・筋力・姿勢の維持などに重要な役割を果たしています。 まだ筋トレを取り入れたことがない方は、まず週に2回〜3回程度、全身まんべんなく鍛える習慣からはじめてみてください。
独学ではじめるのもよいですが、おすすめは知識を持ったスタッフのいるジムに通うことです。ジムのために外出することで気持ちの切り替えもできますし、自宅でおこなうよりもメリハリが付きやすいので、習慣化しやすくなりますよ。
過剰な運動は控える
「過ぎたるは及ばざるが如し」とはよく言ったもので、過剰な運動は身体へのダメージが大きくなります。
生命維持の過程で使われた酸素は、活性酸素と呼ばれます。正の働きは身体の免疫機能に関わったり、細胞の伝達物質として働いています。 一方負の働きは、細胞を傷めたり、生活習慣病の要因になったりと長所と短所が混在しています。
身体には活性酸素のデメリットから守るためのシステム(抗酸化防御機構)が備わっているのですが、活性酸素の産生が防御システムを上回ると、身体に酸化ストレスがかかります。
紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤、酸化された物質の摂取などにより酸化ストレスが引き起こされます。過剰な運動やストレスも活性酸素の産生を促し、酸化ストレスを起こす要因となりますので、ご自身の体力レベルに合わせて運動をするように心がけましょう。
もちろん、トレーニングと同じように、組織の材料となるタンパク質を中心としたバランスのよい栄養素が摂れている前提の話ですので、食生活を見直してみましょう。タンパク質が不足しがちな方はプロテインを活用するのもひとつの方法ですね。
まとめ
若見えを目指す人には、タンパク質を中心とした食事と適度な筋トレ、十分な睡眠など生活習慣を整えることが必要です。
どれも基本的なことですが、これを徹底できる人は意外と少ないものです。身体を錆びさせないための抗酸化防御機構をよいバランスに保つことが酸化ストレスによる老化を防ぐためにも重要ですから、甘い誘惑や怠惰な自分の感情に負けないように、若さを保つルーティンを目指してみてください。
参考文献
1)Nishikori, S., Yasuda, J., Murata, K., Takegaki, J., Harada, Y., Shirai, Y., & Fujita, S. (2023). Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices. Scientific reports, 13(1), 10214.