健康維持には必須!グルタミンのメリット
アミノ酸類って運動していない方には必要ないと軽視されがちです。しかし、そんなこともありません。働きを理解してしっかりグルタミンを摂取しましょう。
グルタミンとは
グルタミンは、身体を構成するアミノ酸のひとつですが、体内でも合成が可能なため非必須アミノ酸に分類されます。しかし、体内に存在するアミノ酸の約60%がグルタミンであり、身体に負荷がかかる時には不足しがちになることから、準必須アミノ酸といわれることもあります。
また、グルタミンの役割は多岐にわたります。 多くのグルタミンは骨格筋に蓄えられていますが、必要に応じて腸や肝臓、腎臓などさまざまな組織にも運ばれます。体内のリンパ球や好中球、マクロファージなどといった免疫細胞のエネルギー源としても利用されます。そのため、健康を維持するためには、体内に多くのグルタミンを取り込んでおくことが重要です。1)
グルタミンの必要量
グルタミンは、体内で合成されることもあり、厚生労働省などでも特に摂取量は定められていません。基本的にはバランスの良い食事を心がけていれば、不足する可能性は低いと考えられます。
一方で、どんな栄養素においても言えることですが、過剰摂取には注意が必要です。長期間の大量摂取(40g以上/日)は身体へ悪影響を及ぼす可能性がある2)といわれていますので、サプリメントなどで摂取する場合には、目安量を参考にむやみに摂りすぎないように注意しましょう。
グルタミンを多く含む食品3)
食品 | 食品100g当たりのグルタミン/グルタミン酸※1(mg) |
---|---|
チーズ | 5100 |
マグロ | 3400 |
納豆 | 3300 |
豚肉 | 2000 |
卵 | 1700 |
牛乳 | 700 |
ほうれん草 | 320 |
トマト | 240 |
※1 グルタミンは、アミノ酸分析の前処理におけるたんぱく質の加水分解でグルタミン酸に変化し、測定の際にはタンパク質中のグルタミンとグルタミン酸は区別ができないため、グルタミン/グルタミン酸として算出。
上記の表のような食品にグルタミンは多く含まれます。健康な方は、このような食品を心がけて摂取するようにしましょう!
グルタミンの摂取を心がける必要のある方
運動習慣のある方
特に激しい運動やトレーニングをした後は、血中のグルタミン濃度が低下することが分かっています。運動時の主なエネルギー源は糖質ですが、糖質が不足すると身体は筋肉(タンパク質)から糖を作り出しエネルギー源として利用しようとします。
効率的に運動をおこないたい場合には、運動前後でのグルタミン摂取をおすすめします。
運動以外で身体に負荷をかけている方
例えば、休みなく常に忙しく働いている方や、食べ過ぎてしまった日なども実は身体に負担がかかっています。そういった場合には、体内でのグルタミン消費量が増えるため、こまめな補給が必要になります!
まとめ
グルタミンは、運動時だけでなく、通常の生活においても身体を守るために働く栄養素のひとつです。これからも健康を維持して元気に生活したい方はしっかりと摂取するようにしましょう!
参考文献
1)R Curi, C J Lagranha, S Q Doi, D F Sellitti, J Procopio, T C Pithon-Curi, M Corless, P Newsholme. (2005). Molecular mechanisms of glutamine action. Journal of cellular physiology, 204(2), 392-401.
2)Milan Holecek. (2013). Side effects of long-term glutamine supplementation. JPEN J Parenter Enteral Nutr., 37(5), 607-16.
3)文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.