プロテインを有効活用!理想のタンパク質量を摂取しよう!
タンパク質の摂取は重要です。ただし、たくさん摂ればよいかというと、必ずしもそうではありません。自分にとって適切な量のタンパク質が摂取できているか一緒に考えてみましょう。
タンパク質の役割
まず、身体にとってタンパク質摂取が必要な理由を覚えておきましょう!
タンパク質は身体のさまざまな構成成分(図)であり、重要な成分のひとつです。そのため、理想的な身体のためには欠かせない栄養素なのです!
タンパク質必要量
健康的な身体を保つために必要なタンパク質の推奨量※1 は、18歳以上の成人男性で60g〜65g、成人女性で50gとされています。1)
最低限、この量は摂取できるように食事とプロテインで調整しましょう。
また、身体活動レベル※2 における1日のタンパク質摂取目標量※3 は、表のとおりになりますので、健康のためにご自身の活動レベルに合わせてしっかりとタンパク質を摂取したい方は表の数値を参考にして調整してみてください。
また、アスリートのように日常的に運動量が多い方は、体重1kg当たり1.4g〜2.0gを目安にタンパク質を摂取すべきだという研究結果も出ています。2)
習慣的に高強度のトレーニングをおこないながら、理想の身体づくりをしている方は、体格(体重)の変化に合わせてタンパク質量を調整することをおすすめします。
表:身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)(非妊婦、非授乳婦)1)
一方で、耐容上限量(過剰摂取)についても考慮が必要です。タンパク質には耐容上限量は与えられていませんが、1歳以上の全年齢区分において1日の摂取エネルギーの 20%量までにすることとされています。1)よって、むやみやたらにプロテインを飲むことはおすすめいたしません。
※1 推奨量:健康な人を中心として構成される集団において、ほとんどの方(97%〜98%程度)が1日の必要量を満たすと推定される摂取量のこと。
※2 身体活動レベル:
Ⅰ(低い)生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
Ⅱ(ふつう)座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合
Ⅲ(高い)移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
※3 目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量
主なタンパク源
これらは、タンパク質を多く含む食品の代表です。プロテインもこの食品群のひとつと考えられます。実際にはこれらの食品以外にも、多少のタンパク質は含まれますので、厳密にいえば、食べた食品すべてのタンパク質量を考えるのがベストですが、今回はこれらの代表的なタンパク源食材のタンパク質量を確認してみましょう。
皆さんは、これらの食材を1日にどれくらい摂っているでしょうか?もちろん日によって違うかもしれませんので、まずは1食の食事にこれらの食品群が1つでも入っているかを確認することから始めるとよいでしょう。余裕が出てきたら、1食で約20gのタンパク質が摂れるよう食材の量と組み合わせを考えられるようになるといいですね。
もし、欠食がちであったり、ごはんやパンなどの主食のみで済ませることが多かったり、野菜だけを好んで食べている方がいたらプロテインで補うのもひとつの方法です。
自分にとって理想のタンパク質必要量とは?
身体にとってどれくらいのタンパク質が必要で、どんなものからタンパク質が摂取できるかはなんとなく分かってきたかと思います!ただ、タンパク質に限らず、各栄養素の必要量や整った栄養バランスって、大まかな目安はあるものの、自分にとって合っているかの判断って実はとても難しいです……
最低限、健康に過ごせればOKという方であれば、その目安から大きくかけ離れたことさえしなければ、概ね問題ありません。
ただし、より理想の状態、例えばスポーツにおける記録を出したい!ボディービルダーのような立派な体格やモデルのようなスラっとした体型になりたい!などの高めの目標がある場合には、ざっくりとした一般的な目安量ではなく、自身の食生活に合わせて生活習慣も一緒に考慮して正しい量かどうかを検討しなくてはなりません。
タイプ別のタンパク質摂取量を紹介しますので、ご自身の目的や状況に近い場合を参考にしてみてください。
①最低限、健康に過ごしていきたい場合
特に身体を張った仕事をしている、日々強度の高い運動をしている、無理な食事制限をしているなどがなく、これからも健康的に生きていければと考えている方は、18歳~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gのタンパク質を摂取するようにしましょう!
3食の食事を振り返ってみて、各食事で約20gのタンパク質が摂れるような食材を食べたか考えましょう。細かいズレはそこまで気にしなくてOKです。
- 朝は、パン食で牛乳1杯とチーズ入りの卵焼きを食べた◎
- 昼は、カップラーメンとサラダチキンを食べた◎
- 夜は、1人前のハンバーグ定食を食べた◎
という感じで、だいたいタンパク質20gになりそうなお肉などのタンパク源をとり入れる癖をつけるようにしましょう。
朝食は抜きで、その分、昼食や夕食で2食分食べているなどの場合には、朝に牛乳やプロテインだけでも摂取することをおすすめします。
②ダイエットのために食事制限をしている場合
多少の運動は心がけているものの、メインは食事量を減らすことでダイエットに励んでいる方は、①の方同様に、18歳~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gのタンパク質を摂取するようにしましょう!
余力があり、もう少し上を目指したい方は、自身の年齢と活動量に合わせたタンパク質量を摂れるように頑張ってみましょう。
ダイエットのために食事制限をしている方にとって、糖質や脂質は悪に見えるかもしれません。そんなことはないのですが、避けたい気持ちはあるかと思いますので、各食事で約20gのタンパク質が摂れる、かつ、脂質量の少ないタンパク源を知っておくのが良いでしょう。
小腹が空いた時や、3食でタンパク質の摂取量が足りない場合には、軽い運動の後や間食として、プロテインを利用することも検討してみてください!
③理想の身体のためにしっかりトレーニングをしている場合
しっかりとトレーニングや運動をしている場合には、タンパク質はもちろん、エネルギーがより必要になります!エネルギーが足りなければ、しっかり鍛えた筋肉も分解されてしまいます。それを防ぐためにも、必要なエネルギー量を摂取した上でタンパク質を摂取する必要があります。自身の体重当たり、1.4g〜2.0gのタンパク質を摂るようにしましょう!70㎏の方であれば、98g〜140gになります。
摂取する上での注意点としては、1回当たりは20g前後にして小分けに摂ることです。タンパク質は、まとめて一気に摂ってもうまく利用されない可能性が高いことが分かっています。また、タンパク質を摂ったからといって筋肉が大きくなるわけではありませんので、筋力をアップさせたり、筋肉量を増やしたいのであれば、トレーニングが必須ですので頑張ってくださいね!
まとめ
思ったよりも十分にタンパク質が摂れていそうと感じた方も逆に不足しているかもと感じた方もいるかもしれません。十分そうな方は、そのまま継続してみてください。不足してそうな方は、食事を見直し、プロテインの活用を検討してみてください。
参考文献
1)厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020 年版).
2)M A Tarnopolsky, S A Atkinson, J D MacDougall, A Chesley, S Phillips, H P Schwarcz. J (1985). Evaluation of protein requirements for trained strength athletes. Appl Physiol, 73(5):1986-95.