タンパク質とアミノ酸の違い
なんとなく、タンパク質をしっかり摂ることが重要なのは分かっているけど……
「プロテイン飲んでるから十分でしょ?」
「でも、EAAを摂取した方が効率的って聞いたよ。」
「結局、プロテイン(タンパク質)とEAA(アミノ酸)って何が違うの?」
とひそかに悩んでいる方へ、タンパク質とアミノ酸の違いを分かりやすくお伝えします!併せて、目的別の使い分け解説もしますので、自分に合った飲み方を見つけてください。
タンパク質とアミノ酸の関係
ご存じの方も多いかと思いますが、ヒトの身体の材料となる重要な栄養素のひとつがタンパク質であり、そのタンパク質を合成しているのがアミノ酸です(図)。
タンパク質
タンパク質は、身体に重要な構成成分であり、図のようにさまざまな部位で活躍します。
アミノ酸
その身体を構成するタンパク質を作り出すために必要とされるアミノ酸は2種類あります。
身体を作るための20種類のアミノ酸は、体内では合成不可能な「必須アミノ酸」9種類と体内でも合成可能な「非必須アミノ酸」11種類に分けることができます。
タンパク質の吸収
食事やプロテインからタンパク質を摂取すると、タンパク質は一度最小単位であるアミノ酸にまで分解されて吸収されます。
その後、必要に応じてアミノ酸からタンパク質を作り出して、筋肉や皮膚などの材料となります。
タンパク質vsアミノ酸
だったら、最初からアミノ酸として摂取した方が効率的ではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
よく美容のためにコラーゲンを摂取しているのだけどコラーゲンの摂取は意味がないよと言われたが本当か?という質問を受けることがあります。コラーゲンも皮膚などに存在する重要なタンパク質のひとつですね。
その意味がないという理由としては、「コラーゲンを摂取してもどうせアミノ酸に分解されてしまい、必ずしもコラーゲンとして身体に利用されるかは分からないから」ということだと思います。
しかし、私は全く意味がないとは思いません。なぜなら、コラーゲンを摂取したということは、コラーゲンに必要なアミノ酸は摂取できているので、絶対にコラーゲンを作ることができないわけではないのですから。
一方で、コラーゲンさえ取ればキレイになれるか?という質問を受けた場合の回答としては、それは違いますということになるかもしれません。
というのも、身体は生きていくために重要なものが優先されます。皮膚がツルツルかどうかよりも、臓器や血液に問題がある方が危険そうなことは想像できるかと思います。
なので、もしあなたが、臓器に問題を抱えるようなことがあり、臓器に必要なアミノ酸が、コラーゲンに使われているアミノ酸と一緒ならそちらが優先されるでしょう。その際、他のアミノ酸が不足していればコラーゲンは作れない可能性が高いですね。
なので、20種類のアミノ酸をバランスよく摂取しておくことが重要なのです!
プロテインとEAAの使い分け
では 、どのようなときにプロテインとEAA(アミノ酸)を使い分けたらよいのでしょうか?
プロテインを摂取する場合
基本的には、自分に必要なタンパク質量が摂取できていない場合には、プロテインを摂取するのがよいでしょう。
なぜなら、プロテインには身体を構成するのに必要なアミノ酸がすべて含まれているからです。
ただし、動物性(ホエイプロテインやカゼインプロテイン)と植物性(大豆プロテイン)ではアミノ酸の含有割合が微妙に違いますので、余裕のある方は気分などに合わせて飲み分けるとなおバランスがよくなるでしょう!
EAA(アミノ酸)を摂取する場合
アミノ酸として摂取する一番のメリットは、吸収速度が速いことです。
つまり、素早く体内にアミノ酸を摂り入れたいときにはEAAが向いています。また、プロテインが飲みづらいという方はEAAで摂取するというのもひとつの手かと思います。
ただし、注意点もあります。EAAは基本的に必須アミノ酸のみで構成されていることがほとんどのため、配合されていない非必須アミノ酸は摂取できません。
非必須アミノ酸は、体内でも合成可能なのですが、運動習慣があったり、身体に負荷がかかっている場合などは不足することもあります。
まとめ
プロテインとEAAの違い、基本的な使い分けについては理解していただけたでしょうか?
一番は自分に必要なアミノ酸の種類と量、そしてトータルのタンパク質量が不足しないようにすることです!上手にプロテインやEAAを活用してください。