私におすすめのプロテインは?自分で選べるようになるためのポイント解説
タンパク質市場の拡大により、近年、さまざまなプロテイン(タンパク質補給食品)商品が手軽に入手できるようになりましたね。むしろ、商品が増えすぎて、どれを買ったらいいか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか?
性別はもちろん、現在の生活習慣や味の好み、摂取目的が違えば、一般的なおすすめが必ずしも自分に当てはまるとは限りません。
そこで、今回は「おすすめのプロテインは自分で選ぶ!」そのためのポイントについてお話ししていきたいと思います。
プロテインを選ぶ際のポイント
①タンパク質含有量
プロテインの主役は、なんといってもタンパク質です。プロテインなどと名の付くもの全てのタンパク質量が同じくらいとは限りません。製品コンセプトや価格設定などで配合割合は変わってきますので、しっかり確認して購入しましょう!
タンパク質含有量の確認は、必ず、パッケージの裏面などに記載してある「栄養成分表示」を見るようにしましょう。ネットなどで購入する際にも、基本的には記載があると思いますので、エネルギーなどと一緒に一覧になっているタンパク質量を確認することがポイントです。
その際、100gや1食、1回量当たりの量が記載されているので、どれくらいのプロテイン(製品)量に対しての数値なのかの確認も忘れないでくださいね。いくつかのプロテインを比較検討したい場合には、基準を揃えて考えないと間違った選択をしかねませんのでご注意ください!
また、パッケージの表面や栄養成分表示の枠外、または広告ページなどで、『タンパク質含有量80%(製品無水物当たり)』などの表示を見たことがあるかもしれません。
表示例の栄養成分表示のタンパク質量は、30gのとき、25.8gのタンパク質量なので、100gあたりにおいては、86g[計算式:25.8(g)÷30(g)×100(g)]のタンパク質量になります。つまり、86%のタンパク質含有率です。
しかし、製品無水物当たり(無水物換算値)では、91%と表示してあります。……これは、計算間違いなのか、表示ミスなのか、はたまただまされているのでしょうか?
正解は、そもそも数値の意味が違います。
無水物換算値とは
食品中には必ず水分が存在します。粉体であるプロテインにも、実は、わずかながら水分は含まれているのですが、無水物当たり(無水物換算値)というのは、製品に水分を含まないとき(製品から水分を全て抜きとれたと仮定した場合)の製品重量に対してのタンパク質割合のことを指しています。一方で、栄養成分表示の100gや1食(○○g)当たりとは、水分も含んだ製品の重量当たりの栄養素量が表示されています。
粉末は水分量が少ないので、先ほどの計算値のように5%程の差しか出ませんが、例えば、タンパク質を多く含む代表食品の中でも、卵や牛乳は水分量が多いので、栄養成分表示のタンパク質含有量(率)と無水物換算値には大きな差が出ます。牛乳、卵、それぞれ100g当たりのタンパク質量は、3.3g、12.2gですが、無水物換算値によるタンパク質含有率は、それぞれ、26.2%、48.8%になります1)。
はじめに、タンパク質含有量の確認は、必ず、パッケージの裏面などに記載してある「栄養成分表示」を見るようにしましょう!とお伝えしましたが、その理由は、実際に摂取できるタンパク質量を確認することが重要であり、無水物換算値でのタンパク質量(率)が分かったところでプロテイン(製品)30gを量り取ったとしても、その時のタンパク質量は分からない(計算できない)からです。
また、基本的にどの製品にも栄養成分表示の記載はされています(少なくともパッケージには必ず記載があります)が、無水物換算値は書かれていない場合も多いので、いくつかのプロテインのタンパク質の含有量の多さ比較検討したい場合に、どちらかが無水物換算値なら、もう一方も無水物換算値のタンパク質量でないと、含有量の比較としては成り立たないからです。
では、タンパク質含有量が多ければ多いほどおすすめなのでしょうか?
答えはそうとは限りません。その理由は他のポイントとまとめて最後にお話しします。
②その他の栄養素および原材料
次に、タンパク質量だけでない、その他の栄養素や製品に使用されている原材料についてもしっかりと確認しておきましょう。
その他の栄養素については、先ほども見ていただいた栄養成分表示を確認していただければと思いますが、原材料については、栄養成分表示付近に記載されている、原材料名をしっかりと確認しましょう!
●目的に応じて必要な原材料や付加栄養素をチェック
目的に合ったタンパク源の種類かどうかや運動時に必要な炭水化物、もしくは美容や健康のために必要なビタミン・ミネラルが添加されているかを確認しましょう。
栄養素については、直接添加されている以外にも原料の種類によって配合量が変わってきたりするので、合わせて栄養成分表示にて確認することも必要です。 ただ、栄養成分表示については、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目以外の数値については必須項目でないため、記載されていないことも多いです。そのため、必要に応じてメーカーに確認するのが良いでしょう。
●体質に合わない原材料が含まれていないかチェック
品質上は問題ないものでも、体質によって避けなければいけない場合がある方もいます。代表的なのはアレルギーですね。食物アレルギーの方などは、原材料表示を見て自分が食べても大丈夫かを必ず確認するようにしましょう。
●味付けなどに関わる原材料をチェック
健康などのためとはいえ、せっかく飲むなら美味しいものが良いと考える方が多いと思います。
その一方、添加物はできるだけ避けたいと考える方もいるかと思います。 食品添加物とは、食品の加工や保存などの目的で食品に添加され、おいしく、飲みやすい食品にするために必要なものです。また、食品添加物は、基本的に、安全性が認められたものしか使用することができませんし、必要なものにはしっかりと使用基準が設けられていますので、過度に避ける必要はありません。また、全ての添加物を排除することは、食べられるものがかなり限られてしまうので、なかなか非現実的かもしれません。
国の基準に沿っていようとも、添加物は摂りたくない!極力避けたい!という方は、原材料表示の添加物欄、もしくは、/(スラッシュ)以降の表示を確認するようにしましょう。/以降に記載されているものは、全て食品添加物であり、配合重量の多い順に並んでいます。 自分自身が納得いくものを選びましょう。
③価格
健康は1日にして成らず。食事も1日だけバランスよく摂取しても健康になれるかといわれると難しいかと思います。そのため、こういった食品も必要に応じて継続して取り入れることが重要になります!となると、1回にかかるコストはとても重要です。 安ければ安いほどありがたいと思いますが、価値観は人それぞれ違いますので、自身のコスパの基準を考えておくことも重要です。
コスパの基準
- 1袋当たりの価格
- 1食分の価格
- タンパク質(1g)当たりの価格
- 使用される原材料へのこだわり
- 美味しさ、飲みやすさなどの満足度
- 手軽さ
- メリットや体感 など
価値観はひとそれぞれなので、目的に応じて検討をするのが良いでしょう。
自分に合ったプロテインの選び方
プロテインを選ぶ際に確認するポイントについてお話してきましたが、で、『私におすすめのプロテインは?』ってことですよね。
おすすめのプロテインは、主にプロテインを摂る目的や現状の食生活および摂取背景、こだわりなどによって変わってきますので、自身でそのことを明確にしておくことが重要です。
ポイント①
まず、プロテインは日頃の食生活でタンパク質が不足をしている方のための栄養補助食品というのが基本です。普段のお食事で、しっかりとタンパク質が摂れていれば、無理に摂る必要はありません。
一方で、日頃から運動に取り組むことで必要タンパク質量が多く、食事から必要タンパク質だけを上手に取り入れるのが難しい方や日頃の食事バランスが悪い方、食事制限や少食で栄養素が不足気味な方などはぜひ上手に取り入れていただければと思います。
目的別のプロテインの種類について詳しく知りたい方は、「なりたい自分へ近づくプロテイン選びのコツ」もあわせてご覧ください。
まず、日頃からある程度の食事管理ができており、運動などで不足したタンパク質のみを必要量摂り入れたい方は、よりタンパク質含有量が多く、タンパク質(1g)当たりの価格が安いものを選ぶのが効率的でしょう。
もちろん、コスパについては原料へのこだわりなどもあるので、必ずしも安いものが良いとは限りませんが、継続使用を考えると納得して購入し続けられる価格のものを選ぶのが良いでしょう。
ポイント②
次に、通常の食事バランスに偏りがある方の場合は、タンパク質さえ摂れば良いかといわれるとそうでないことが多いので、その他の栄養素や原材料もしっかりと確認しましょう。 必要なタンパク質量に合わせて、ビタミンやミネラルもバランスよく配合されているものや、摂りすぎてしまいがちなカロリー(エネルギー)や脂質、糖質(炭水化物)が抑えられているものが良いでしょう。その際のコスパ基準は、1食当たりのコストを確認して選ぶのが良いかと思います。
パッケージには、分かりやすく1食の目安量が記載されていることが多いですが、プロテインは食品ですので、食事と合わせて飲むのであれば、無理に記載されている1回量を摂るのではなく、状況に応じて量は調整して摂るようにする方が効率的です! タンパク質は1回に20g前後しかうまく消化吸収されませんので、タンパク質が20gになるように独自の1食量を設定するのも効率的な摂取方法のひとつです。
そして、ダイエット中の置き換えや少食で食事量が少ない方などは、より多くの栄養素がバランスよく配合されている完全食のようなプロテインがオススメです。この場合も、コスパ基準は、1食当たりのコストを確認して選ぶのが効率的です。
ポイント③
自分に合ったプロテインが見つかり、使用頻度が増えてきた場合には、1袋当たりの価格を確認して、大容量に切り替えていくのもひとつの手です。
ただし、その場合には、同じ味では飽きがきてしまう可能性があります。風味違いを検討する場合には、同じシリーズの商品でも使用している添加物や配合量は違うので、気になる方は原材料を確認してから購入しましょう。
また、プロテインをおいしく飲み続けるコツについて詳しく知りたい方は、「プロテインを美味しく飲む3つのポイント」もあわせてご覧ください。
まとめ
自分に合ったおすすめのプロテインがどのようなものかなんとなく想像できるようになったでしょうか?より自分に合った良いプロテインを選びたい方は自身の目的や基準を明確にして、ぜひこれらの点に注意してみてください。
あなたに合ったグロングのプロテインは、「オススメプロテイン診断チャート」からも確認できますので、ぜひ診断してきてください。
参考文献
1)文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.